県立安芸津病院の地域包括ケア体制について
当院では,急性期治療を終えた後,新たな療養の場で安全に安心して自分らしい生活を送ることができるように,院内はもとより地域の保健・医療・福祉機関等と連携しながら退院支援を行っています。
安芸津における地域包括ケア体制
要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されることを目指します。
地域包括ケア病床について
平成26年度診療報酬改定において「地域包括ケア病床」が新設されました。当院においても平成26年7月から4階病棟に15床、同年11月から6床増床、さらに平成29年4月に8床増床し、合計29床の地域包括ケア病床を設けました。この病床は、急性期治療を終えたのち、安心して在宅療養に移行できるよう在宅復帰を支援する病床で一定期間の安定した入院治療の中で、在宅復帰・社会復帰に向けた退院調整やリハビリテーションなどを行います。また、ご自宅あるいは介護施設等に入所されている高齢者の緊急時の入院のほか、高度急性期病院からの転院の受け入れも担っています。これらの患者様一人ひとりに対して、ケアマネージャーほか関係機関・施設との調整など『医療と介護の連携』をより一層緊密にしながら病床運営を行っているところです。
当院の病棟体制
3階病棟 | 4階病棟 | |
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【一般病床】 10対1入院基本料 |
【一般病床】 10対1入院基本料 |
【地域包括ケア病床】 地域包括ケア医療管理料 |
病床数98床のうち、一般病床69床、地域包括ケア病床29床
退院支援について
「私たちは、地域の皆様の健康と暮らしを支えるために力を尽くします」という病院理念のもと,住み慣れた地域で暮らし続けていくため、安心して自宅等に帰られるよう、多職種協働で患者様・ご家族に関わっていきます。具体的には以下のような取り組みを行っています。
- 【入院時支援】
入院前の外来において、入院中に行われる治療の説明、入院生活に関するオリエンテーション、入院前の服薬状況の確認等を行います。入院後にどのような治療過程を経るのかをイメージでき、安心して入院医療が受け入れられるように関わっています。 - 【入院時のカンファレンス】
入院時1~2日までにミニカンファレンスや臨時カンファレンスを行います。急性期の患者様の病状や入院期間の情報を共有するものです。 - 【退院前カンファレンス】
退院後の生活環境の調整が必要な患者様に対して退院前カンファレンスを行います。ケアマネージャーや地域の関係者などが参加し、退院後の日常生活の中で必要となるサービスなどを具体的に検討します。 - 【退院前訪問】
必要な患者様に、病棟看護師やリハビリテーションを行う理学療法士、ケアマネージャー、福祉用具事業所等が退院前の外出等に同行します。自宅での生活状況等を把握し、安心して退院できるよう助言します。 - 【退院後訪問】
必要な患者様に、病棟看護師などが退院後1ヶ月以内に自宅に訪問します。医療ニーズが高い患者様が在宅療養を継続できるようにお困りごとなどお聞かせいただいたり、アドバイスなどさせていただきます。 - 【退院後電話訪問】
退院後1週間までに自宅に退院された患者様に対して病棟看護師から電話をおかけし、退院後の生活が支障なく送れているかどうかなどお聞かせいただきます。必要に応じて、アドバイスなどさせていただくとともに、何か問題等があれば関係者と一緒に対応策を検討します。
地域包括ケア病床の利用について
どのような場合に『地域包括ケア病床』が利用できるのか紹介します。
- 入院治療により病状が安定・改善したが,在宅復帰に向けてリハビリや経過観察が必要な方
- 在宅や介護施設への退院に向けた準備が必要な方
- 在宅生活継続のために一時的な入院(レスパイトケア)を必要とする方
- 他の急性期病院に入院後、当院に転院して在宅療養の準備をされる方。
地域包括ケアシステムの構築に向けて
誰もが住み慣れた地域で暮らすことができるように,住まい・医療・介護予防・生活支援などを地域で一体的に提供できる仕組みづくり【地域包括ケアシステム】が求められています。
当院では「地域包括ケア病床」を新たな医療資源として活用することで,地域包括ケアシステム構築を医療面から支援していきます。詳しい内容については地域医療連携・入退院支援室にご相談ください。今後も職員一同,地域の皆様が安心して住み慣れた場所で生活できるように頑張っていきます。